ヨルノコエ

近寄る足音

毎晩毎晩。

足音が聞こえてくる。

最初はとても小さい音だった。
だからなんの音か分からなかった。

数日前、気付いてしまった。

あれは足音だ。

日を追う毎に大きくなっている。
どんどん近寄ってきているんだよな?

イヤだなぁ。
憂鬱だなぁ。
何より気持ち悪い。

日に日に足音が大きくなる。

そちらの方向を見ると…
黒い人影のようなものが微かに見える。

どうしよう…

日に日に。

足音も人影もハッキリしてくる。

明日辺り、手が届くくらいのところに来るだろう。

兄も出来ない。待つしかない。

足音が聞こえる。
人影がどんどん近寄ってくる。

手が触れる。
身体に触れる!

…と思ったのに。

奴は無視して歩き続けた。

その先にはもう1つ。
明るい人影があった。

明るい人型に黒い人影が襲いかかる!

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い!!!

やがて明るい人影は黒い人影になる。

ションボリと隣に座った。

「お前もか…?」

話しかけてきた人影。

元の場所を見ると人型が倒れていた。

「この部屋に住む人間は殺される」
「殺されたらこの部屋から動けない」
「動けず先の犠牲者を見続けるんだ」
「これから先、ずっと…ね」

思い出した。

格安事故物件。
幽霊が出るという噂もあって。
安さと面白半分で借りたんだっけ。

見渡せば同じように人が座ってる。

奴の正体は解らない。

奴に殺されたらずっとここに。
縛り付けられ断末魔を見させられる。

それだけを理解した…

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