38 -罰と救済

 広場中央に2段階ほど高くなっている石台があった。  ウデーはそこへドサリと乱暴に荷を下ろす。  ウデーの背にある棘を刺し荷を固定していたせいだろう。袋から新しい血が滲んでいる。新月丸は紐を緩めズタ袋 …

37 -神都での語らい

 戦意喪失している門番の生き残りを横目に門を通り、貧民街へ足を踏み入れた。  そこは予想していたより遥かに酷い街並みが広がっている。  建物はいつ倒れても不思議ではないボロ屋ばかり。  中には棒に布を …

36 -神都侵入

 ここは神が王として君臨する神都、ハーゥルヘウアィ・ララ。  神、と呼ばれる存在は多数、存在している。その中でも『信者が多い』『古くから存在している』のは神として力が強くなる。神々の中でランクなんても …

35 -避難者達

 嫌雪は背に軽い衝撃を受けたのを覚えている。  しかし後ろから飛んできた何かが当たれば、軽い衝撃なんかで済む種類のものでないのは肌で感じていた。  これはダメかも、と思いながらも自分を護ってくれ「クレ …

34 -反撃

 部屋中を埋め尽くす灼熱。  1人の無抵抗な者へ向けられた刃。  怒りと苛立ちで振り下ろされた高熱を帯びた大きな剣は、それを受け止めるに見合わない小さなナイフみたいなものが止めていた。  人を殺せるで …

33 -来訪

 窓がガタガタと振動を始める。  普段は聞かない異質な轟音ごうおんが遠くから近づいてきたからだった。月光国の城は音の発生源からはまだ随分、離れている。そこからでも窓が震えるのだから相当、大きな音なのだ …

32 -ケプシャルという男

 神都ハーゥルヘウアィ・ララを出て月光国を目指すケプシャルは、その途中に目的のものを見つけた。  月光国の王とその一味である。 (神でも王でもない私が歩かず移動できるのに、一国の王が砂漠を徒歩!なんて …

31 -合成生命体

 新月丸は「今後、どうしようかな」と考えながら砂漠を歩く。  日が落ちてきたので暑さは随分とやわらいだ。  寧ろ、これからの時間は寒くなってくるのだろう。  日が落ち始めると砂漠はあっという間に寒くて …

30 -嵐の前の静けさ

 命喰魚ソウルイーターフィッシュを倒した後に新月丸が始めた作業はここから月光国の各部屋へ瞬間移動テレポーテーションを可能にするためのものだ。  ここに縁エニシを刻み月光国の輪エンと繋ぐ。  極小さく書 …

自動販売機の水

短編小説「ヨルノコエ投稿作品シリーズ」この物語は「水」から始まった… » 続きを読む

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