「 投稿者アーカイブ:九条飄人 」 一覧

20 -ボロボロの天井

 どれくらい、寝ていたのだろうか。  目覚めると見慣れたボロボロの天井がそこある。  雨漏りが酷いが修理する材料が買えないから水瓶でしのぐ。  その水は飲用水になるから、雨漏りも便利だと笑って話したも …

19 -街と旅立ち

 旅なんて久々だ。  いや…久々と言っても3年と少し前に旅をしていた。  その旅をしなければ、俺は今頃まだ王なんかしていなかっただろうなぁ…  今から向かうはハーゥルヘウアィ・ララ。  ハーララと短縮 …

18 -物怪

 僕はいつからここに居るのだろう。  僕を可愛がってくれていた子はいつから帰ってこないのだろう。  この家の家族はどこに行っちゃったんだろう。  僕だけ残された家は暗くて静かで、とても寂しい。  怖い …

17 -タロウとドラリン

 王は旅支度をしに自室へ戻って行った。  執務室に私と先輩とが残された部屋でなんとなく不安になる。  王が居るとどこか安心してしまうのだから、王の威光は凄い。  今後しなければならない準備を考え、私は …

16 -霊を視る者「リック」

 いつもなら通販サイトへの出品をしてくれている時間なんだけど蒼君そうくんは向こうの世界へ戻っていった。  私に何も話してくれないけれど、たぶん国で問題が起きたんじゃないかな。  本来なら私が仕入れも出 …

15 -王の決断

「本当にあの国に関与なさるおつもりですか?」  嫌雪けんせつとのやりとりを話した所、クレアは昨日と同じく硬い口調で問いかけてきた。 「ん〜…とりあえず探りから入れてみようかなぁ」 「しかし、あの国の王 …

14 -新月丸蒼至

 …この王は優しい。  独裁制でいい主君に恵まれた国は幸せになる、というのがこの世界の常識ではあるものの良き主君というものはとても少ない。  権力を1人で握れば道を踏み外し欲に溺れるからだ。  私がも …

13 -嫌雪

 執務室に向かうとちょうど、書簡に封をしていた。  封にはクレアの印、タロウの印が既にされている。  宰相の印もこういった場合には必要だ。  そして俺の印をするのがこういう堅苦しい文書のやり取りの形式 …

12 -人間の世界の生き方

 今日は送迎のバイトが無い。  だから早起きする必要も無い。  あのバイトは朝早いのが本当に辛い。  俺もリックも夜型だからなぁ…  俺はリックより少し早く目が覚めた。  隣で寝ているリックを抱き寄せ …

自動販売機の水

短編小説「ヨルノコエ投稿作品シリーズ」この物語は「水」から始まった… » 続きを読む

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